FUJIFILMを検討する前に、まず方式が分かっていなかった
Curious Roomで使う商品写真をもう少し良くしたくて、FUJIFILMのカメラを検討し始めた。
接写したときに白飛びする、黒い布の質感が潰れる、マウスや周辺機器の細部が平坦に写る。iPhoneは日常記録には十分便利だけど、記事に使う商品写真としては「もう少し何か欲しい」という場面が増えてきた。
で、FUJIFILMを調べ始めたのはいいのだが、すぐに言葉の壁にぶつかった。
「ミラーレス」「一眼レフ」「X-T5」「X100VI」「レンズ固定式」「APS-C」「フィルムシミュレーション」……。
言葉は並んでいるのに、そもそもどういう分類なのかが分からない。 分類が分からないまま機種を比べても、何を選んでいるのかよく分からなくなる。
なのでまず、カメラの「方式」だけを整理することにした。
カメラの方式は、まず3つに分けて考えると整理しやすい
カメラを調べていると「ミラーレス」「一眼レフ」「レンズ固定式」という言葉が出てくる。
ただ、これらは同じ軸の言葉ではない。
- 「一眼レフ」と「ミラーレス」は、カメラ内部の構造の違い
- 「レンズ固定式」は、レンズが交換できるかどうかの違い
分類の軸が違うのに、ひとまとめに並べて比べようとすると混乱する。
ざっくり表にするとこうなる。
| 方式 | 何の違いか | ポイント |
|---|---|---|
| 一眼レフ | カメラ内部の構造 | ミラーで光をファインダーへ届ける |
| ミラーレス | カメラ内部の構造 | センサーで受けた映像を画面で見る |
| レンズ固定式 | レンズが外れるか | レンズ交換できないカメラ |
まずここを頭に入れておくと、その後の話が整理しやすくなる。
「一眼レフ」とは何か ── ミラーとプリズムで光を運ぶ構造
一眼レフは、カメラ内部にミラー(鏡)がある。
レンズから入ってきた光を、カメラ内部のミラーで上方向に反射させる。 その光をプリズムという部品で向きを整えて、ファインダーへ届ける。 ファインダーを覗くと、そのレンズを通った景色が見える。
シャッターを切る瞬間だけ、ミラーが跳ね上がって光がセンサーに届く。 それが写真になる。
プリズムというのは、「光の向きを整えて、ファインダーで見やすい像にするガラスの部品」くらいの理解でいい。ミラーで反射しただけでは自然な向きに見えないので、プリズムがそれを整えている。

「光学ファインダー」という言葉もここから来ていて、画面に変換された映像ではなく、レンズや鏡・プリズムを通った光をそのまま見る仕組みのことを指している。
一眼レフの特徴は、ファインダーで「現実を光学的に覗いている」感覚にある。 表示の遅れがなく、動くものを自然に見やすい。 機械としての撮影感 ── ファインダーを覗いてピントを合わせてシャッターを切る体験 ── が好きな人には、一眼レフならではの良さがある。
ただし、ファインダーで見ているのは光だ。 FUJIFILMのフィルムシミュレーションがどんな色になるか、白が飛びそうか、黒が潰れそうか。そういった最終的な仕上がりの変化は、光学ファインダーでは基本的に見えない。
「ミラーレス」とは何か ── センサーが受けた映像を見ながら撮る
ミラーレスは、名前の通りミラーがないカメラだ。
内部のミラーがないので、レンズから入った光はそのままイメージセンサーに届く。 センサーが受け取った映像を、カメラが処理して背面モニターや電子ファインダーに表示する。
つまり、ミラーレスは撮る前から「センサーと画像処理を通した映像」を見ている方式だ。
「小さいカメラ」「軽いカメラ」という印象を持つ人もいるが、ミラーレスは本来サイズではなく内部構造の話だ。実際、フルサイズのミラーレスは一眼レフと大差ない大きさのものもある。

なぜ昔はミラーが必要だったのか
ここで、「じゃあ最初からミラーレスでよくない? なんでわざわざカメラの中にミラーを入れるの?」という疑問が出てくる。
でも昔はそれが実用的ではなかった。
ミラーレスを成立させるには、センサーが常時映像を読み出せること、その映像を遅れなく表示できること、オートフォーカスが動くこと、バッテリーが持つこと……といった技術が必要だ。これらが昔は未成熟だった。
だから、レンズを通った光を物理的に目まで届ける仕組み(ミラーとプリズム)が必要だった。
ミラーは画質のためではなく、「撮る前にレンズを通った景色を見るため」の部品だったと考えると納得できる。
こうした技術が進化したことで、ミラーレスが今の主流になってきた。一眼レフが消えたわけではないが、新製品や市場の中心はかなりミラーレスに移っている。
一眼レフとミラーレスは「何を見ながら撮るか」が違う
整理すると、ここが一番大事な違いだ。
一眼レフ:光をミラー・プリズムで目まで届ける。現実寄りの景色を見ながら撮る。
ミラーレス:センサーが受けた映像をカメラが処理して表示する。写真の仕上がりに近い映像を見ながら撮る。
どちらが上というより、「何を見ながら撮りたいか」の違いだと思っている。
なお、「ミラーレスだからメーカーの個性が出る・一眼レフだと素直な写真になる」という話ではない。センサー、画像処理エンジン、レンズ、JPEGの色作りなどが関わった写真の仕上がりは、一眼レフでもミラーレスでも等しくメーカーの特徴が出る。違いは「撮る前にその仕上がりを確認しやすいかどうか」だ。
「レンズ固定式」とは何か ── ミラーレス/一眼レフとは別の軸
ここまでの「一眼レフ」「ミラーレス」はカメラ内部の構造の話だった。
「レンズ固定式」は分類の軸が違う。レンズが外れるかどうかの話だ。
レンズ固定式は、レンズが本体に固定されていて交換できないカメラのこと。
メリットは、本体とレンズが最初から最適化されているので、持ち出しやすく迷いにくいこと。日常スナップや旅行には向いている。
デメリットは、後からレンズを変えられないこと。もっと寄りたい、マクロで細部を撮りたいという場面で限界が来る。
ミラーレスとレンズ固定式は対立しない。ミラーレスでも、レンズ固定式のものがある。
| カメラ | 構造 | レンズ交換 |
|---|---|---|
| FUJIFILM X-T5 | ミラーレス | できる |
| FUJIFILM X100VI | ミラーレス的構造 | できない(固定式) |
| PENTAX K-3 Mark III | 一眼レフ | できる |
つまり「ミラーレスかどうか」と「レンズ交換できるかどうか」は、別々に確認する必要がある。
FUJIFILMの方式はどう分かれているか
FUJIFILM公式のカメラ一覧では、Xシリーズ内で「Mirrorless Digital Camera」と「Fixed Lens Camera」が分かれて掲載されている。
| FUJIFILMの分類 | 代表機種 | Curious Room目線 |
|---|---|---|
| Xシリーズ レンズ交換式ミラーレス | X-T5、X-S20、X-M5など | 本命 |
| GFX レンズ交換式ミラーレス | GFX100S IIなど | 画質上限の参考・憧れ枠 |
| レンズ固定式 | X100VI、X half | 日常向き。物撮りメインには不利 |
自分の用途には、ミラーレスが合いそう
整理してみて、自分の場合は一眼レフの光学ファインダーのメリットはかなり薄そうだと分かった。
物撮りが中心で、家の中でカメラをセットして撮ることが多い。ファインダーを覗くより、背面モニターを見ながら撮る方が自分には自然だ。
それより大事なのは、FUJIFILMのフィルムシミュレーションを撮る前から確認しながら撮れること、白飛びや黒つぶれをシャッターを切る前にチェックできること、記事に使えるJPEGが撮って出しで出てくることだ。
一眼レフが悪いという話ではない。光学ファインダーを覗いて撮ることに価値を感じる人や、機械としての撮影感を大事にする人には、一眼レフならではの良さが確かにある。
というか、自分も古いCanonの一眼レフを持っているので、一眼レフを否定したいわけではない。
ただ今回の自分の用途には、ミラーレスの方が合っていそうだ。
まとめ:まずXシリーズのレンズ交換式ミラーレスから見ていく
この記事では機種比較には入らず、方式の整理だけをした。
- 一眼レフ:ミラーとプリズムで光を目まで届ける。現実寄りの景色を見ながら撮る
- ミラーレス:センサーが受けた映像を画面で見る。仕上がり寄りの映像を見ながら撮る
- レンズ固定式:内部構造ではなく「レンズが外れるか」という別軸の話
自分の用途(物撮り・記事化・フィルムシミュレーション確認)を考えると、FUJIFILMで見るならXシリーズのレンズ交換式ミラーレスが出発点になりそうだ。後からマクロレンズを足せる、フィルムシミュレーションを見ながら撮れる、JPEG撮って出しがある程度使える。用途との相性としては、ここが一番自然に見える。
次は、FUJIFILMのXシリーズにどんな系統があるのかを見ていく。X-T系、X-S系、X-E系、X-M系といった系統の違いを、Curious Room目線で整理する予定。
