前回の記事では、台湾メーカーのSYMとKYMCOがどういうメーカーなのかを見てきた。
どちらも、ただの謎メーカーではなかった。
Hondaとの技術的なつながりを出発点に持ち、台湾のスクーター文化の中で育ってきたメーカーだった。
そうなると、次に気になるのは実際の車種だ。
台湾スクーターは面白そうだ。
では、原付二種スクーターとして選ぶなら、どれが候補になるのか。
今回は、SYMとKYMCOの125ccスクーターを、実際に自分が買うなら候補に残るかどうかという目線で見ていく。
現行新車を中心にしつつ、中古で現実的に狙えそうなモデルも少しだけ見る。
スペックを細かく並べるだけではなく、価格、実用性、見た目、中古での狙いやすさまで含めて整理していく。
まず候補をざっくり分ける
今回は、候補を「現行新車」と「中古」に分けて見る。
ただし、SYMとKYMCOの125ccスクーターを全部並べるわけではない。
価格が高すぎるもの、車体が大きすぎるもの、中古市場でほとんど見かけないものまで入れると、実際に買う候補としては分かりにくくなる。
なので今回は、自分が原付二種スクーターとして選ぶなら、現実的に候補に残りそうなモデルだけを見ていく。
現行新車で見る候補
現行新車で見るなら、まずはこの2台でいいと思う。
| メーカー | 車種 | 排気量 | 価格の目安 | どんなスクーターか | 候補として見る理由 |
|---|---|---|---|---|---|
| KYMCO | GP 125 VCBS | 124.6cc | 22万円台 | 小柄で扱いやすいベーシック125ccスクーター | 安さと発進加速の良さが目立つ |
| SYM | ECHS 125 | 125cc | 33万円台 | 収納力・装備・デザインがしっかりした実用125ccスクーター | 日常使いの便利さで候補に残る |
方向性は分かりやすい。
安さと出足の良さで見るなら、KYMCO GP 125 VCBS。
収納力と実用性で見るなら、SYM ECHS 125。
しかもこの2台は、どちらも見た目がけっこういい。
国産125ccスクーターを見慣れていると、台湾スクーターのデザインはかなり新鮮に見える。
安いから見た目が雑、という感じではない。
むしろ、ボディのデザイン、ライトやテールランプまでちゃんと作り込まれているのがわかる。かっこいいと思う。
中古で見る候補
中古まで広げるなら、KYMCO Racing 125Fiが気になる。
| メーカー | 車種 | 排気量 | 価格の見方 | 候補として見る理由 |
|---|---|---|---|---|
| KYMCO | Racing 125Fi | 124.8cc | 個人売買やオークション系なら10万円前後も見えてきそう | 走りの評価があり、中古で安く買えるならかなり面白い |
中古で見る候補は、KYMCO Racing 125Fiに絞る。
中古候補になりそうなSYMのOrbit Ⅲ 125やJET Xも、車種としては面白い。
ただ、探すとなると玉数が少なく、実際に買う候補としては見つけにくい。
その点、Racing 125Fiは中古で見かけることがあり、価格もかなり落ちている個体がある。
走りの評判もあるので、安く買えるなら候補に入れていいと思う。
なので今回は、中古枠を無理に広げず、Racing 125Fiだけを見る。
現行新車で気になる2台
まずは、現行新車で買える候補から見ていく。
候補として残ったのは、KYMCO GP 125 VCBSとSYM ECHS 125の2台だ。
GP 125 VCBSは、安さと出足の良さが目立つベーシック125ccスクーター。
ECHS 125は、収納力と装備で見る実用125ccスクーター。
同じ台湾125ccでも、見るポイントはかなり違う。
安く新車に乗りたいならGP 125 VCBS。
収納力や日常使いの便利さまで見るならECHS 125。
そして、どちらもデザインがいい。
国産メーカーの原付二種スクーターではあまり見ない顔つきで、ライトまわりやテールランプの見せ方にも力が入っている。
ここは台湾スクーターを見るうえで、普通に大きな魅力だと思う。
KYMCO GP 125 VCBS:安くて、軽くて、出足も良さそうな本命候補

今回見た中で、まず一番気になるのはKYMCO GP 125 VCBSだ。
これはかなり強い。
新車の125ccスクーターで、価格は22万円台。
この時点でかなり目立つ。
国産の125ccスクーターと比べても、GP 125 VCBSの安さは分かりやすい。
| 車種 | 価格の目安 | ざっくりした位置づけ |
|---|---|---|
| KYMCO GP 125 VCBS | 22万円台 | 今回の主役。かなり安い新車125cc |
| Yamaha JOG125 | 27万円台 | 国産の安め125ccスクーター |
| Suzuki アドレス125 | 28万円台 | 国産ベーシック125ccスクーター |
こうして見ると、GP 125 VCBSはかなり安い。
国産の安め125ccスクーターと比べても、さらに数万円安い。
単に「台湾メーカーだから安そう」ではなく、実際に125cc同士で並べても価格差がある。
ここはかなり大きい。
GP 125 VCBSの主なスペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | KYMCO |
| 車種 | GP 125 VCBS |
| 排気量 | 124.6cc |
| エンジン | 空冷4ストローク SOHC 2バルブ単気筒 |
| 燃料供給 | フューエルインジェクション |
| 最高出力 | 6.6kW / 7,500rpm |
| 最大トルク | 9.2Nm / 5,500rpm |
| 車両重量 | 110kg |
| シート高 | 745mm |
| タンク容量 | 5.0L |
| タイヤ | 前後100/90-10 |
| ブレーキ | 前ディスク / 後ドラム+VCBS |
| 価格の目安 | 22万円台 |
GP 125 VCBSでいいなと思ったのは、安さだけではない。
車体はコンパクトで、重量も110kg。
シート高も745mmと低めで、足つきも良さそうだ。
そして、発進加速が良さそうなのも大きい。
原付二種スクーターで一番よく使うのは、高速域ではなく街中の発進や低中速域だ。
信号待ちからの発進、車の流れに乗る加速、ちょっとした買い物や通勤での扱いやすさ。
そこでちゃんと走ってくれるなら、日常用スクーターとしてかなり使いやすい。
デザインもかなり好きだ。
フロントに大きめのライトがどんとある感じで、国産スクーターとは雰囲気が違う。


テールも純正が社外ブランド製にカスタムしたようなデザインで、安いから見た目は妥協という感じでは全くない。

安い、軽い、小さい、出足が良さそう。
そのうえ新車で買えて、見た目も普通にかっこいい。

原付二種スクーターを日常の足として安く始めたい人には、かなり現実的な候補になると思う。
SYM ECHS 125:収納力と装備で見るならかなり強い

SYMの現行新車で一番現実的に見えるのは、ECHS 125だ。
KYMCO GP 125 VCBSが「安さと出足の良さ」で気になるモデルだとしたら、ECHS 125は「収納力と装備」で気になるモデルだと思う。
価格は33万円台。
GP 125 VCBSと比べると高い。
ただ、比較する相手はGP 125 VCBSではなく、Honda リード125に近いと思う。
ECHS 125は、安さだけで見るスクーターではない。
収納力と装備まで含めて見る、実用寄りの125ccスクーターだ。
| 車種 | 価格の目安 | 収納 | ざっくりした位置づけ |
|---|---|---|---|
| SYM ECHS 125 | 33万円台 | 37.5L | 収納力と装備が強い台湾スクーター |
| Honda リード125 | 35万円台 | 37L | 国産の実用スクーター代表 |
| Honda PCX | 37万円台 | 30L | 人気の王道125ccスクーター |
こうして見ると、ECHS 125はGP 125 VCBSほど安さで目立つモデルではない。
ただ、リード125に近い収納力を持ちながら、価格は少し安い。
PCXと比べれば、さらに差は広がる。
つまりECHS 125は、「とにかく安いから選ぶ」モデルではなく、リード125に近い実用性を少し安く狙うモデルとして見るのがよさそうだ。
ECHS 125の主なスペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | SYM |
| 車種 | ECHS 125 |
| 排気量 | 125cc |
| エンジン | 空冷単気筒4ストローク OHC 2バルブ |
| 燃料供給 | E.F.I |
| 最高出力 | 7.1kW / 7,000rpm |
| 最大トルク | 10.4Nm / 5,500rpm |
| シート高 | 750mm |
| タンク容量 | 6.8L |
| ラゲッジボックス容量 | 37.5L |
| タイヤ | 前90/90-12 / 後100/90-10 |
| ブレーキ | 前ディスク+ABS / 後ドラム |
| 価格の目安 | 33万円台 |
一番大きいのは、シート下収納だ。
ECHS 125は、シート下に37.5Lのラゲッジボックスを持っている。
買い物、雨具、ちょっとした荷物、ヘルメットまで考えると、この収納力はかなり強い。
さらに装備も実用寄りだ。
フルLEDライト、キーレスシステム、急速充電機能、トップケースキャリア、TCSまで付いている。
このあたりを見ると、ECHS 125は「安さだけで見る台湾スクーター」ではなく、日常でちゃんと使いやすい125ccスクーターに見える。
デザインもいい。

GP 125 VCBSより少しゴツめで、ボディの細かいところまで線や形が入っている感じがある。
フロントからリアまで、ただの実用車として終わらせていない。

特にテールランプ周りのデザインは個人的に好きだ。

33万円台で、収納力があって、装備も付いていて、見た目もちゃんと良い。
そう考えると、ECHS 125はかなり候補に残る。
GP 125 VCBSの22万円台を見たあとだと少し高く感じるが、見るポイントは違う。
安さならGP 125 VCBS。
収納力と装備まで見るならECHS 125。
現行新車では、この2台を中心に考えれば十分だと思う。
KYMCO Racing 125Fi:中古で安く買えるならかなり面白い

中古まで見るなら、KYMCO Racing 125Fiが気になる。
理由は分かりやすい。
なんとこの車種は個人売買やオークション系まで含めると、10万円前後が見えてくることがあるからだ。
しかも、ただ安いだけではない。
KYMCOの125ccスクーターの中でも走りの評価があり、中古で安く買えるならかなり面白い。
台湾125ccスクーターの中古は、そもそも玉数が多くない。
車種として面白そうなものはあっても、実際に探すとなるとほとんど出てこないことも多い。
Racing 125Fiも、中古市場にたくさん出ているわけではない。
ただ、探していると見かけることはあり、買う候補としてはまだ現実味がある。
GP 125 VCBSが「安い新車で、出足が良い実用スクーター」だとしたら、Racing 125Fiは「中古で探す、走り寄りのKYMCO」という感じになる。
台湾スクーターは新車でも安めだが、中古になるとさらにぐっと下がることがある。
Racing 125Fiは、その落差を狙えるのでとにかく安く125ccスクーターを手に入れたい人にはおすすめだ。
Racing 125Fiの参考スペック
中古車のため、スペックは参考程度に見る。
おそらく国内流通の仕様は大きく変わらないと思うが、詳細までは確認しきれないため、ここではRacing 125Fiの雰囲気をつかむための目安として整理する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | KYMCO |
| 車種 | Racing 125Fi |
| 排気量 | 124.8cc |
| エンジン | 空冷4ストローク単気筒 |
| 燃料供給 | フューエルインジェクション |
| 最高出力 | 8.8kW / 8,500rpm |
| 最大トルク | 10.4Nm / 6,500rpm |
| タイヤ | 前110/70-12 / 後130/70-12 |
| ブレーキ | 前ディスク / 後ドラム |
| ざっくりした見方 | 中古で安く買えるなら面白い快速コミューター候補 |
こうして見ると、Racing 125Fiはただ安い中古スクーターというより、走り寄りの125ccとして見た方がよさそうだ。
発進加速だけでなく、その先の常用速度域でもキビキビ走ってくれそうな雰囲気がある。
街中で使う快速コミューターとして見ると、かなり面白い。
ただし、中古なので状態次第だ。
年式が古すぎる、走行距離が多い、整備履歴が分からない、部品の入手が不安。
そういう個体なら、安くても無理に狙う必要はない。
逆に、状態に問題がなく、近くで見てもらえる店もあるなら、Racing 125Fiはかなり面白いと思う。
中古KYMCOを見るなら、注目していい1台だ。
まとめ:台湾125ccスクーターは、安いだけじゃなくデザインもかなりいい
SYMとKYMCOの125ccスクーターを見ていくと、一番印象に残ったのは価格とデザインだった。
新車で見るなら、KYMCO GP 125 VCBSはかなり安い。
22万円台で買える125ccスクーターとしてはかなり強く、見た目も安っぽくない。
SYM ECHS 125はGP 125 VCBSほど安くはないが、収納力と装備が強い。
37.5Lのシート下収納があり、日常使いのスクーターとしてかなり現実的に見える。
中古まで見るなら、KYMCO Racing 125Fiも面白い。
玉数は多くないが、個人売買やオークション系まで見るとかなり安く買える可能性がある。
ただし、中古の台湾スクーターは純正パーツの入手や修理を見てくれる店がネックになりやすい。ここは国産スクーターより慎重に見た方がいいと思う。
それでも、SYMとKYMCOのスクーターはかなり印象が変わった。
特にデザインは、思っていた以上に凝っている。
ライト、テールランプ、ボディの細かい線や形まで、こだわって作っている、という感じがある。
正直、デザインだけで見ると、国産の実用スクーターよりチャレンジしているようにも見えた。
もちろん、走りや品質は実際に乗ってみないと分からない。
代理店や整備環境、部品供給まで含めると、日本ではまだ国産メーカーの安心感が強い。
ただ、価格とデザインを見ていると、台湾スクーターが世界で売れている理由は少し分かる気がした。
新車でも安く、中古ならさらに安く狙える。
そのうえ、見た目もちゃんとかっこいい。
もし日本でも販売店や整備環境がもう少し増えて、品質やサポートの不安が減ったら、国産125ccスクーターにとってけっこう怖い存在になるんじゃないかと思った。
特にUber Eatsのような配達需要や、原付二種スクーターを安く使いたい人が増えていくなら、何かのきっかけで一気に注目される可能性もある。
SYMとKYMCOは、日本ではまだあまり見かけない。
でも、価格、実用性、デザインを見ると、ただの安い海外スクーターではなかった。
もう少し手に入りやすくなったら、かなり面白いメーカーだと思った。
※各車種の画像・仕様情報は、各メーカー公式サイトの情報を参考にしています。価格・仕様は年式や型式によって変わるため、購入前には最新情報をご確認ください。

